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穏やかな画風が主流だった戦前の漫画だが、時代は軍国主義色が強まり、次第に軍の広告的な役割を果たすことになる。 漫画家の本意ではないにしろ、少年漫画までもが軍に利用されてしまった。 漫画にとっては暗い時代だったといえるだろう。 戦後になると、手塚治虫の登場と彼に刺激を受けた漫画家たちが、新たに創刊された子ども漫画雑誌で活躍していくことになる。 ※この記事は、とんぼスタジオ代表高橋が20年前に漫画制作事務所を立ち上げたころに書いた記事です。 ほぼそのままの内容で掲載してあります。 |
6 子ども漫画07 |
項目 |
1.永井豪 2.桑田次郎 |
●永井豪 石ノ森章太郎のアシ経験のある永井豪が「バイオレンスジャック」を描いた。 荒廃した近未来を描いたものだが、迫力のある漫画だった。 |
その後、「バイオレンスジャック」は何度か新たに書き起こされているが、じつは私は、「バイオレンスジャック」の背景を手伝っていたのだ。 そう、私は、大学卒業とともに永井豪先生のアシスタントをして漫画家になったのである。 だから、ここで、「永井豪」などと呼び捨てにしているが、本当はちゃんと「永井豪先生」と「先生」を付けるべきなのである。 ところが、行きがかり上、漫画家の諸先輩方を呼び捨てにしながら、ここまできちゃったのである。 いまさら、永井先生にだけ「先生」を付けるわけにもいかず、ついつい…、本当は紙面の関係上省略させていただいたのだが、呼び捨てにしてしまいました。 永井豪先生、ゴメンナサイ。 そして、大勢の諸先輩方、本当に申し訳なく思っています。 ゴメンナサイ。 |
続けます。 「バイオレンスジャック」は、追いつめられた状況の中での人間の本性や生き様を、先生独自のスタンスで描いた秀作である。 暴力的との非難も浴びていたようだが、人間の本性は動物なのである。 したがって、究極の状況下では、人間は暴力的になるものなのである。 その意味では、「デビルマン」も同様である。TVアニメ化され、あの主題歌は忘れられない。 |
「マジンガーZ」は、兜甲児が操る巨大ロボットを描いた漫画だった。 巨大ロボット同士が激突するシーンは迫力あったなぁ。 「ゲッターロボ」も凄かったぞ。 また、永井先生はギャグの天才である。 「けっこう仮面」や「まぼろしパンティー」といったパロディ物も多いが、「ハレンチ学園」や「あばしり一家」といった独特の豪ちゃんワールドを展開している。 他にも、「ズバ蛮」「ドロロンえん魔くん」「キューティーハjー」「おいら女蛮」「イヤハヤ南友」などなど、たくさんある。 |
ちょっとHだが、爆笑もののギャグ漫画を数多く発表している。 「ハレンチ学園」などは、教育上よくないという指摘を受け、PTAから糾弾されたりしたが、本人はすごくシャイでまじめな性格である。 永井先生については様々なことを知っているので、次回の場で紹介しようと思う。 項目に戻る |
●桑田次郎 おっと、SFと聞いて忘れてならないのが「8マン」だ。 「8マン」は平井和正の原作で、漫画家は桑田次郎だった。 漫画では「8マン」だったが、なぜかTV放映されたときは「エイトマン」だった。 理由はわからないが、小学生で「8」が「エイト」と読めない子どもでもタイトルがわかるようにしたのかもしれない。 そういえば、漫画家の桑田次郎も、当時は「桑田次郎」だったが、その後「桑田二郎」と改名したっけ。 「8マン」を執筆していた当時が有名なので、ここでは「桑田次郎」でいきたいと思う。 |
「8マン」の代名詞といえば「弾よりも速く」である。 あの脚力は凄かった。 8マンの活躍より、走っている姿が印象に残っているのは私だけだろうか。 それに、丸美屋のエイトマンのふりかけは、よく買って食べたものである。 別段美味しくもなかったが…。 |
桑田次郎といえば、「8マン」以上に人気のあった「まぼろし探偵」を忘れてはならない。 前述したが、子どもの頃、よくマネをして遊んだ。 今でも、「黄色いマフラー」といえば「まぼろし探偵」を思い出す。 それくらい印象に残る漫画だった。 桑田次郎は、若干13歳でプロデビューしたというから驚きである。 まだ中学生になったばかりである。 そんな時期から、将来を嘱望される存在だった。 |
彼は、デビュー後、絵物語作家の岡智彦に弟子入りして、絵の勉強をしたらしい。 兄弟弟子には、これまた有名な一峰大二や森田拳次がいる。 面白いことに、3人とも名前に「二」や「次」といった、「じ」という字が入っているのである。 項目に戻る |
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参考ページ→ 北斎漫画について 漫画の描き方講座 |
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