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漫画制作事務所が日本漫画の歴史についてご紹介します。

戦後の子ども漫画
HOME日本漫画の歴史> 日本漫画の歴史06「子ども漫画」08
穏やかな画風が主流だった戦前の漫画だが、時代は軍国主義色が強まり、次第に軍の広告的な役割を果たすことになる。

漫画家の本意ではないにしろ、少年漫画までもが軍に利用されてしまった。

漫画にとっては暗い時代だったといえるだろう。

戦後になると、手塚治虫の登場と彼に刺激を受けた漫画家たちが、新たに創刊された子ども漫画雑誌で活躍していくことになる。

※この記事は、とんぼスタジオ代表高橋が20年前に漫画制作事務所を立ち上げたころに書いた記事です。

ほぼそのままの内容で掲載してあります。
6 子ども漫画08
項目
1.一峰大二

2.森田拳次

3.古谷三敏
●一峰大二
一峰大二の「黒い秘密兵器」はよかったなぁ。

あれは福本和也が原作だった。

私も野球をやっていたから、ボールがあのように黒く見えるのって不思議に思ったものである。

それだけに、余計に印象に残っている。

それに、彼は桑田次郎と同門だっただけに、なにしろ絵が上手かった。
私は一峰大二のファンだったので、子どもの頃、年賀状を出したことがある。

ちゃんと返事をくれた。

先生の顔が描かれた年賀状を思い出すなぁ。

たしか、住所は練馬区上石神井だったように記憶している。

奇遇にも、私が大学を卒業し、永井豪先生のダイナミックプロダクションに入って下宿した先が、同じ上石神井だった。

今は住所が変わったと聞いたけど、上京したときに会いに行けばよかったなぁ。

残念。

一峰大二は、川内康範の「月光仮面」も書いている。

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●森田拳次
森田拳次は、桑田次郎や一峰大二と同門だった。

絵の方はさほど上手くはなかった。

むしろ、ギャグのセンスで漫画家として活躍していたと思う。

「丸出だめ夫」は、現在であれば流行語大賞がとれるくらい流行った。

片や少年サンデーの「おそ松くん」、片や少年マガジンの「丸出だめ夫」というくらい、当時のギャグ漫画の人気を二分した。

なにをやってもダメな丸出だめ夫は藤子不二雄の「ドラえもん」に出てくるのび太君と似ていた。

あれほどダメな丸出だめ夫がいるから自分はまだ彼よりはましだな、と多くの小学生に安心感を与えた漫画でもあった。
ロボットが登場していて、名前が「ボロット」だった。

安易な名前だが、「丸出だめ夫」という漫画には合っていたかも。

「だめ夫」は「だめお」とも読めるが、「だめおっと」とも読める。

じつは、この「だめおっと」を主人公にした面白い漫画がある。

面白いというより、かわいそう、といったほうがいいかな。

そう、「ダメおやじ」である。

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●古谷三敏
古谷三敏の「ダメおやじ」は強烈だった。

競輪にのめりこんだダメおやじが、家族から相手にされなくなったり、しまいに自殺まで考えるようになる。

ギャグ仕立てだからクスクスと笑ってしまうが、じつはものすごく悲壮感の漂う内容だった。
「ダメおやじ」の連載時期は、現代のような経済不況ではなく、バブル期に入る前だから、むしろこれから景気が良くなるという時期だった。

だからよかったのかもしれない。

時流に合っていたのである。

現代のような経済不況下で、こんな悲惨なサラリーマンを描いたら、とても人気が出たとは思えない。

というより、出版社が連載させてくれないだろう。

この漫画が少年サンデーに連載していたのが不思議なくらいだ。

どちらかというと青年誌の内容だと思う。

古谷三敏は、手塚治虫や赤塚不二夫のアシスタント経験があった。

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古からの日本漫画の歴史01
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」01
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」02
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」03
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」04
日本漫画の歴史03「なつかしい戦後の漫画」01
日本漫画の歴史03「なつかしい戦後の漫画」02
日本漫画の歴史03「なつかしい戦後の漫画」03
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参考ページ→
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