本文へスキップ

漫画制作事務所が日本漫画の歴史についてご紹介します。

戦後の子ども漫画
HOME日本漫画の歴史> 日本漫画の歴史06「子ども漫画」11
穏やかな画風が主流だった戦前の漫画だが、時代は軍国主義色が強まり、次第に軍の広告的な役割を果たすことになる。

漫画家の本意ではないにしろ、少年漫画までもが軍に利用されてしまった。

漫画にとっては暗い時代だったといえるだろう。

戦後になると、手塚治虫の登場と彼に刺激を受けた漫画家たちが、新たに創刊された子ども漫画雑誌で活躍していくことになる。

※この記事は、とんぼスタジオ代表高橋が20年前に漫画制作事務所を立ち上げたころに書いた記事です。

ほぼそのままの内容で掲載してあります。
6 子ども漫画11
項目
1.水木しげる

2.つのだじろう

3.古賀新一

4.楳図かずお
●水木しげる
怪奇物といえば、水木しげるを抜きにして語れない。

水木しげるは「ゲゲゲの鬼太郎」や「河童の三平」「悪魔くん」ほか多数の作品を描いている。

とくに「ゲゲゲの鬼太郎」は独特な妖怪の世界を描いた作品で、現在でも多くのファンがいる。

目玉の父親が、息子である鬼太郎の持つ欠けた茶碗の中で湯につかっていた。

あのシーンはなんとも奇妙であり、印象に残っている。

不思議な世界であるが、それだけに印象的だった。
さらに、水木しげるの描く漫画の背景画は、ほとんどが点描で描かれており、他の漫画とは違った趣を醸し出していた。

点描を打つアシスタントは大変だったと思う。

そうした表現も、妖怪漫画を描くには有利だったのかもしれない。

また、戦時中の体験から、多くの戦記物も描いているが、すべて面白かった。

項目に戻る
●つのだじろう
怪奇物といえば、つのだじろうも有名だ。

「恐怖新聞」はマジで怖かったなぁ。

真夜中に配達される「恐怖新聞」というのがあって、この新聞を1日読むごとに寿命が百日縮んでしまうのである。

冗談じゃないよね。

あんな新聞が来たらどうしようと思ってしまう。

「うしろの百太郎」では人間の背後霊を描いていた。

私は、この漫画で、知らなかった霊界を思いっきり勉強させられた。
 
そういえば、「こっくりさん」で大ブームを作ったのもつのだじろうだった。

ところで、つのだじろうは元々ギャグ漫画家だったんだよね。

それがホラー漫画の大御所になってしまったのだ。

昭和30年代には「りぼん」や「なかよし」などの少女漫画雑誌を中心に連載していたから驚きである。

それが40年代後半になると、突然オカルト漫画や心霊物を専門に描くようになったのだ。

きっと、不思議な体験をして、このような転身を遂げたのだろう。

項目に戻る
●古賀新一
少年チャンピオンの連載していた「エコエコアザラク」も怖かったなぁ。

つのだじろうは日本の幽霊を中心に描いていたが、古賀新一は西洋の黒魔術を扱っていた。

「エコエコアザラク」というのは黒魔術の呪文で、黒井ミサという女性が主人公だった。
呪文という言葉を聞いただけで怖いよね。

なんか陰湿な感じがする。

項目に戻る
●楳図かずお
楳図かずおの「へび女」は床をずるずると擦って蠢いていた。

その様子は、今思い出してもぞっとするぞ。

「ズルズルズル〜」と本当に怖かった。

彼は「へび女」とか「半魚人」だとかを題材に、これでもかというほどオドロオドロしく描いていた。

絵を見ただけで震えてしまった。

人間の恐怖というものを描きたかったのだと思う。

そうでなかったら、あんな恐ろしい描き方はできないだろう。
それでいながら、一方でギャグ漫画「まことちゃん」を描いたり、SFでは「漂流教室」を描いていた。

しかもめちゃくちゃに面白いのだ。

ギャグでは笑いを追及し、SFでは近未来を警鐘していた。

彼も、永井豪先生同様、天才なのだろう。 

そういえば、2人ともパッと見は子供っぽく見えたなぁ。

天才とは、そうしたものかもしれない。

項目に戻る
1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10
11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)(19
●日本漫画の歴史
古からの日本漫画の歴史01
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」01
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」02
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」03
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」04
日本漫画の歴史03「なつかしい戦後の漫画」01
日本漫画の歴史03「なつかしい戦後の漫画」02
日本漫画の歴史03「なつかしい戦後の漫画」03
日本漫画の歴史04「貸本漫画」01
日本漫画の歴史04「貸本漫画」02
日本漫画の歴史05「新聞漫画」01
日本漫画の歴史05「新聞漫画」02
日本漫画の歴史06「子ども漫画」01
日本漫画の歴史06「子ども漫画」02
日本漫画の歴史06「子ども漫画」03
日本漫画の歴史06「子ども漫画」04
日本漫画の歴史06「子ども漫画」05
日本漫画の歴史06「子ども漫画」06
日本漫画の歴史06「子ども漫画」07
日本漫画の歴史06「子ども漫画」08
日本漫画の歴史06「子ども漫画」09
日本漫画の歴史06「子ども漫画」10
日本漫画の歴史06「子ども漫画」11
日本漫画の歴史06「子ども漫画」12
日本漫画の歴史06「子ども漫画」13
日本漫画の歴史06「子ども漫画」14
日本漫画の歴史06「子ども漫画」15
日本漫画の歴史06「子ども漫画」16
日本漫画の歴史06「子ども漫画」17
日本漫画の歴史06「子ども漫画」18
日本漫画の歴史06「子ども漫画」19
参考ページ→
北斎漫画について
漫画の描き方講座
HOME
漫画のご相談
takataka1123@office.nethome.ne.jp
※お見積りは無料です