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漫画制作事務所が日本漫画の歴史についてご紹介します。

戦後の子ども漫画
HOME日本漫画の歴史> 日本漫画の歴史06「子ども漫画」13
穏やかな画風が主流だった戦前の漫画だが、時代は軍国主義色が強まり、次第に軍の広告的な役割を果たすことになる。

漫画家の本意ではないにしろ、少年漫画までもが軍に利用されてしまった。

漫画にとっては暗い時代だったといえるだろう。

戦後になると、手塚治虫の登場と彼に刺激を受けた漫画家たちが、新たに創刊された子ども漫画雑誌で活躍していくことになる。

※この記事は、とんぼスタジオ代表高橋が20年前に漫画制作事務所を立ち上げたころに書いた記事です。

ほぼそのままの内容で掲載してあります。
6 子ども漫画13
項目
1.九里一平

2.吉田竜夫

3.寺田ヒロオ

4.関谷ひさし
●九里一平
九里一平の「大空のちかい」は戦闘機隼が愛機だった。

0戦といえば、辻なおきの「0戦はやと」である。

紫電改といえばちばてつやの「紫電改のタカ」だった。

そして、隼といえば、九里一平の「大空のちかい」だった。

この漫画は、加藤隼戦闘隊所属の少年飛行兵・早房一平伍長が主人公だった。

ただ、九里一平といえば、なんといっても「マッハ三四郎」なのである。

また、「ファイター健」「弾丸児」などがある。

九里一平は兄の吉田竜夫の影響で漫画家となった。

やがてタツノコプロの社長になった。

ただし、2005年には、大手玩具メーカータカラによる買収によって社長を退任している。

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●吉田竜夫
少年ブックに連載した「マッハGoGoGo」は、自動車を扱った漫画だった。

「マッハ号」は流線型のスマートな車体だった。

吉田竜夫は九里一平と兄弟だっただけに、絵がそっくりだった。

というより、吉田竜夫のアシスタントだった九里一平が、兄吉田の絵にそっくりだったと言ったほうが正確だろう。

辻なおきも二人に絵が似ていたなぁ。

同じころ、月刊誌「少年」では、横山光輝が「グランプリ野郎」を、「少年画報」では望月三起也が「0ファイター」という、レース漫画を連載していた。

ただし、知名度と人気では、「マッハGoGoGo」が一番だったと思う。

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●寺田ヒロオ
「スポーツマン金太郎」は、ほのぼのとした野球漫画だった。
赤ちゃんみたいな金太郎が巨人軍に入団して強打者の王選手や長嶋選手と一緒に野球をやる話だった。

ピッチャーの金太郎が投げ、友だちの熊がキャッチャーでボールを捕っていた。

桃太郎も登場して、キジやサルを連れて南海に入団していた。

寺田ヒロオの「暗闇五段」は視力と記憶を失った柔道家倉見五段が主人公だった。

いずれもまじめな描き方で、作者の人間性が伝わってくるようだった。

寺田ヒロオは、トキワ荘で石ノ森章太郎や赤塚不二夫に影響を与えた人でもある。

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●関谷ひさし
寺田ヒロオと同じ時期に活躍した漫画家に、関谷ひさしがいる。

関谷ひさしの「ストップ!にいちゃん」は、雑誌「少年」が休刊になるまで、手塚治虫の「鉄腕アトム」とともに「少年」を支え続けた。

なんとも楽しい、そして優しさの伝わってくる漫画だった。

最近では、このような漫画は雑誌で見なくなってしまった。

出版社の考えもあるだろうが、こうした漫画があってもよいと思う。
「ストップ!にいちゃん」は、中学生の南郷勇一と弟賢二、さらに隣の家に住む勇一の同級生サチコが繰り広げる学園漫画だった。

勇一はスポーツ万能で勉強優秀だが、サチコにだけはからっきし弱い。

いかにも学園漫画っぽい設定である。

話も平凡な普段の日常生活を描いている。

それでも、面白いものは面白いのだ。

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●日本漫画の歴史
古からの日本漫画の歴史01
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」01
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」02
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」03
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」04
日本漫画の歴史03「なつかしい戦後の漫画」01
日本漫画の歴史03「なつかしい戦後の漫画」02
日本漫画の歴史03「なつかしい戦後の漫画」03
日本漫画の歴史04「貸本漫画」01
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日本漫画の歴史05「新聞漫画」01
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日本漫画の歴史06「子ども漫画」01
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日本漫画の歴史06「子ども漫画」18
日本漫画の歴史06「子ども漫画」19
参考ページ→
北斎漫画について
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