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穏やかな画風が主流だった戦前の漫画だが、時代は軍国主義色が強まり、次第に軍の広告的な役割を果たすことになる。 漫画家の本意ではないにしろ、少年漫画までもが軍に利用されてしまった。 漫画にとっては暗い時代だったといえるだろう。 戦後になると、手塚治虫の登場と彼に刺激を受けた漫画家たちが、新たに創刊された子ども漫画雑誌で活躍していくことになる。 ※この記事は、とんぼスタジオ代表高橋が20年前に漫画制作事務所を立ち上げたころに書いた記事です。 ほぼそのままの内容で掲載してあります。 |
6 子ども漫画15 |
項目 |
1.石川球太 2.永島慎二 3.村野守美 |
●石川球太 当時、動物漫画の第一人者だったのが石川球太だ。 「狼少年ケン」や「牙王」「魔犬ムサシ」「動物記」「銀狼伝」など、たくさんの動物漫画を描いている。 少年サンデーに連載された「原人ビビ」は、古代を扱った漫画だった。 生きるために殺し、食べるために殺す。 少年誌ぽくないテーマと内容だった。 獲物を求めて流浪する原人たちがいて、その原人の中に、白い牙と呼ばれる狩人の一族がいた。 そして、その一族に白い肌の不思議な子どもビビが生まれた。 その子どもを主人公とした漫画が「原人ビビ」だった。 項目に戻る |
●永島慎二 「漫画家残酷物語」は、残念ながら発売当初に読んだわけではない。 大学を卒業し、永井豪先生のダイナミックプロダクションに入ってから、西早稲田の本屋で買って読んだ。 40年以上前である。 当時は漫画家を志して上京してきたばかりで、「漫画家残酷物語」を読んでいたら、登場人物たちと自分がダブっちゃって思わず泣いてしまった。 |
この漫画は永島慎二自身の体験を漫画化したものだった。 内容が事実だったから説得力があったのだと思う。 おそらく、この漫画を懐かしく思う人は少ないと思う。 しかし、私にとっては、1ページ1ページがすべて懐かしい思い出なのだ。 この漫画を再読すると、アシスタント時代が思い出される。 項目に戻る |
●村野守美 大学時代に夢中で読んだのが村野守美の漫画だ。 そして、私がもっとも影響を受けた漫画家である。 ダイナミックのアシ時代に村野守美の単行本をすべて買い揃えた。 青林堂から出版された、通称「弁当箱」と呼ばれたハードカバーの本もすべて買って読んだ。 しかも、先生のサイン入りの限定本まで注文して買った。 私は村野守美オタクなのである。 |
そのオタクの私がお薦めするナンバーワンの漫画は「草笛のころ」だ。 ごく平凡な田舎のとりとめもない話だが、心の琴線を激しく揺さぶられた。 読んでいると田舎の草の香が漂ってくるのだ。 読者に香りを想起させるなんてすごいことだ。 広がる雲が、優しく大地を包んでいく。 そんな叙情的な雰囲気を醸し出す漫画であった。 |
「ほえろボボ」は、野良犬の子犬が厳しい社会の中で成長しながら生きていく様子を描いた漫画だった。 人間社会を犬社会の置き換えた内容だ。 なにしろ村野守美の絵がいい。 線が綺麗。 構図もいい。 話もいい。 すべてが大好きである。 項目に戻る |
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参考ページ→ 北斎漫画について 漫画の描き方講座 |
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