![]() |
HOME> 日本漫画の歴史> 日本漫画の歴史06「子ども漫画」16 |
穏やかな画風が主流だった戦前の漫画だが、時代は軍国主義色が強まり、次第に軍の広告的な役割を果たすことになる。 漫画家の本意ではないにしろ、少年漫画までもが軍に利用されてしまった。 漫画にとっては暗い時代だったといえるだろう。 戦後になると、手塚治虫の登場と彼に刺激を受けた漫画家たちが、新たに創刊された子ども漫画雑誌で活躍していくことになる。 ※この記事は、とんぼスタジオ代表高橋が20年前に漫画制作事務所を立ち上げたころに書いた記事です。 ほぼそのままの内容で掲載してあります。 |
6 子ども漫画16 |
項目 |
1.園山俊二 2.谷岡ヤスジ 3.つげ義春 |
●園山俊二 もうひとり、私が大好きでたまらない漫画家がいた。 園山俊二だ。 「ギャートルズ」は、弱肉強食の原始時代に、バイタリティーあふれる人間の祖先たちの生活を描いた漫画だった。 単純な線で描くナンセンスギャグで、めちゃくちゃに面白かった。 今でも登場人物たちの叫び声が聞こえてきそうだ。 マンモスの足の輪切りなど、今でも園山俊二の描く絵や場面をよく覚えている。 強烈な絵だったなぁ。 |
「ぺエスケ」や「ガタピシ」もよかった。 銀座の松坂屋だったと思うが、「園山俊二展」を見に行ったことがある。 たくさんの来場者がいた。 その展示会に彼の原画が展示されていたのだが、なんと切り貼りの原画があったことを覚えている。 「ギャグマンがなんだし、切り貼りなどしないで描き直しても、さほど時間もかからないだろうに」と、思ったものである。 それほど、園山俊二という人は、自分の描いた絵を大事にしていたのだろう。 自分の納得がいくまで描き直したのだ。 そのときに買った「ぺエスケ」の文庫本全8巻が、本棚の目立つところに入っている。 今では娘の愛読書になっている。 項目に戻る |
●谷岡ヤスジ 園山俊二に勝るとも劣らないほど強烈だったのが谷岡ヤスジだ。 「ヤスジのメッタメタガキ道講座」は少年マガジンに連載されたのだが、少年誌に載せるにはあまりにもハチャメチャで強烈だった。 屋根の上で「鼻血ブー」とか「アサー」と叫ぶシーンは、ものすごく印象に残っている。 あの画風は誰もマネできない。 ストーリーの展開も唯一無二である。 まさにギャグの鬼才だった。 項目に戻る |
●つげ義春 つげ義春の漫画は大学時代に読んだ。 子どもの頃の「なつ漫」ではないが、読んでいて無性に古めかしく感じたものだ。 懐かしい感じのする絵だった。 ところが、途中から、彼の絵のタッチがどんどん変わっていった。 画風が変わったのだ。 「ネジ式」は有名だが、さほど感動するようなものではなかった。 むしろ、「李さん一家」や「無能の人」が面白かった。 とくに、「無能の人」はよかった。 映画化もされた。 つげ義春の漫画は私の大事な愛読書である。 青林堂から発売された豪華本も持っている。 何度読んでも、新たな感動がある。 項目に戻る |
(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10) (11)(12)(13)(14)(15)(16)(17)(18)(19) |
●日本漫画の歴史 古からの日本漫画の歴史01 日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」01 日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」02 日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」03 日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」04 日本漫画の歴史03「なつかしい戦後の漫画」01 日本漫画の歴史03「なつかしい戦後の漫画」02 日本漫画の歴史03「なつかしい戦後の漫画」03 日本漫画の歴史04「貸本漫画」01 日本漫画の歴史04「貸本漫画」02 日本漫画の歴史05「新聞漫画」01 日本漫画の歴史05「新聞漫画」02 日本漫画の歴史06「子ども漫画」01 日本漫画の歴史06「子ども漫画」02 日本漫画の歴史06「子ども漫画」03 日本漫画の歴史06「子ども漫画」04 日本漫画の歴史06「子ども漫画」05 日本漫画の歴史06「子ども漫画」06 日本漫画の歴史06「子ども漫画」07 日本漫画の歴史06「子ども漫画」08 日本漫画の歴史06「子ども漫画」09 日本漫画の歴史06「子ども漫画」10 日本漫画の歴史06「子ども漫画」11 日本漫画の歴史06「子ども漫画」12 日本漫画の歴史06「子ども漫画」13 日本漫画の歴史06「子ども漫画」14 日本漫画の歴史06「子ども漫画」15 日本漫画の歴史06「子ども漫画」16 日本漫画の歴史06「子ども漫画」17 日本漫画の歴史06「子ども漫画」18 日本漫画の歴史06「子ども漫画」19 |
参考ページ→ 北斎漫画について 漫画の描き方講座 |
![]() |
![]() takataka1123@office.nethome.ne.jp ※お見積りは無料です |