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(1)ストーリー作 り
(2)キャラクター
(3)絵コンテ
(4)下描き
(5)ペン入れ
(6)仕上げ
(7)完成
漫画制作事務所とんぼスタジオの作成スタッフ/イラスト
漫画家・高橋達央
(1)ストーリー作り(漫画制作の第一歩)

まず、読者に何を言いたいか、何を伝えたいかを明確にします。
これがはっきりしていないと、ストーリー全体に一本の筋が通りません。
ストーリーに筋が入っていないと、話があっちにいったりこっちにきたりと、読んでいて不安になってしまいます。これではダメ。
背筋をピンとしていないと人間もだめなように、ストーリー作りも同じです。

次に、平坦な展開はだめです。
読者が飽きてしまいます。読んでくれないと、苦労して描いた漫画も意味がありません。
まぁ、自分で楽しむだけなら良いのですが、作品を発表してプロになりたいと考えているようなら、ストーリー作りは非情に大事な作業です。

ちなみに、広告マンガというのははっきりとした目的意図があります。そういう意味では、制作しやすいといえます。


ストーリーの組み立て方
ストーリーの組み立て方
漫画家によっては、キャラクターさえ動き出せば、ストーリーは自然と展開していく、と考えている人もいます。
つまり、面白いキャラクターさえ作ってしまえば、あとはキャラクターが勝手に動いてくれる、という意味です。
たしかに、キャラクターの設定は大事です。しかし、キャラクターが作れれば、ストーリーが作れるというものではありません。
やはり、最初の出だし部分では、その切っ掛けとなる発想が重要になってきます。
また、キャラクターが自由に動けるようになっても、全体の構成力がないと、まとまりのある作品は制作できません。

では、ストーリーの作り方を説明しましょう。

(1)モチーフ(動機)
つまり、ストーリーの発想となるきっかけです。
たとえば、日常の身の回りで起きたことや、見たり聞いたりしたことで、これは面白い、あるいはこれはすごいと感じたことがあるでしょう。そうしたことがモチーフとなります。
(2)テーマ(主題)
モチーフに自分独自の意見や方向付けを加えたものがテーマとなります。
ようするに、自分が一番伝えたいこと、それがテーマです。
たとえば、自然エネルギーとして太陽光を利用すべきだ、ということがテーマとなります。
しかし、このままではストーリーとはなりません。
そこで、テーマを設定するときには、必ずキャラクターとからませてみることです。
(3)マテリアル(素材)
テーマを表現するために必要な材料を、マテリアルといいます。
つまり、主人公と主人公を取り巻く環境や時代背景などのことです。
(4)ジャンル(形式)
ギャグ漫画なのかシリアスな漫画なのか、また、SF漫画なのか時代劇なのか、はたまた
学園漫画なのか、という形式の選択が必要です。
漫画のジャンルは広く、さまざまな選択肢があります。
初めは、狭いジャンルのとらわれず、様々な可能性を試してみましょう。
(5)シノプシス(あらすじ)
大まかなストーリーのあらすじをシノプシスといいます。
主人公の前にひとつの事件を用意し、主人公がそれに対してどう反応するか、あるいはどう切り抜けるのか、と考えていけば自然とストーリーはできてきます。
思いついたことをノートにメモしておきましょう。
(6)プロット(筋書き)
具体的なストーリーの流れを表したものがプロットです。
たとえば、冒頭部分をどうするか、どこにヤマ場をもってくるのか、起承転結の配分はどうするのかなど、ストーリー全体の構成をはかる重要な作業です。
このプロットの段階になって、全体のストーリーが見えてきます。
話のテンポも、この段階で考えておきましょう。
(7)シナリオ(脚本)
各場面の情景や登場人物のセリフなど、事細かに書き留めて、あとは絵だけ、という状態の文字原稿がシナリオです。
ちなみに、漫画の原作はこの状態のものをいいます。
ただし、普通の漫画家はキャラクターのスケッチなども入れて、見せ場や細かい表現、さらには構図のアイデアなどもついでに考えてしまいます。
あくまでも、シナリオは自分が漫画を制作するための文字原稿だから、自分がわかりやすいように様々な情報を書き加えておくと、いざ絵コンテを描く段階になって便利です。
慣れてくれば、シノプシスから直接絵コンテを制作してもよでしょう。
(8)絵コンテ(ネーム)
単にラフともいいます。
コマ割りやネームの配置、人物や背景の構図など、大まかなアタリを取ったものです。
つまり、これから描く漫画の設計図のようなものです。
あとは、この絵コンテに従って原稿を制作すれば良いわけです。
よく、「ネームができる」といいますが、この段階までの作業が完成したということです。

ストーリーを作る基本を紹介しましょう。
  起承転結
よく、ストーリーには起承転結があるといいます。
「起」は物事の始まりで、何かが起きて話が展開していきますが、その切っ掛けが「起」です。

そして、「承」。
これは、「起」を受けて話が続くこと。つまり、「起」で何かが起きた、さあ次はどうなる、ということです。

この「承」は話を引っ張っていく役目だから、ここで読者に先を読まれるか飽きられると、もう読者はこの先を読んではくれませn。
案外、この「承」を安易に考えがちですが、とんでもないことです。非情に大事な役目を担っているのです。
たとえば、この後に、「転」「結」と続くわけですが、この「転」と「結」は描いていても楽しい場面だから、誰もが力を入れて描くところです。ところが、その「転」「結」に行く前に読者が読むのを止めたら、せっかく力を入れて描いた部分が無駄になってしまいます。

つまり、「承」は安易に描いてはいけないということです。
「承」の次が「転」です。

「転」は、ドラマが盛り上がって何かが起こり、話が意外な方向へ向かったりします。
はらはらドキドキがクライマックスを迎え、読者に緊張感を与えます。
ページのめくりが早くなります。
だから、この「転」で、面倒くさい言葉を並べてゴチャゴチャするのは良くありません。スピーディに絵で見せることを考えた方がよいでしょう。

そして、「結」です。

「結」は結論の結であり、結果の結です。
話が終わります。
あなたが何を言いたかったか、読者に何を伝えたかったかが明確になる場面です。

そして、読者に共感と感動を与えます。

漫画の基本・起承転結
起承転結を壊す
では、ストーリーはすべて起承転結で成り立っているのかというと、そうではありません。
むしろ、起承転結が壊れていた方が、物語としては面白かったりします。
なぜ、起承転結を壊すのでしょうか?
まず、起承転結のストーリー作りは安心感があるということです。これは決して悪いことではありません。ただし、読者が安心して読めるということは、無難だということです。
無難ということは、不安が少ないということでもあります。
ところが、不安が多いほど、また不安定なほど読者は先が読めません。
だから面白くなるのです。
ただし、面白くするためにストーリーがめちゃめちゃになり、何を描きたいのかわからなくなるようではいけません。ストーリーには、常に一本の筋が通っていることが大事です。

たとえば、クライマックスの「転」をストーリーの冒頭にもってくることがあります。
いきなり面白い場面からスタートするわけです。
読者は、「あ!なんだこれは!いったい何が起きたんだ!」と思うでしょう。
そう思わせておいて、次にそれまでのいきさつを描いていき、「結」で結ぶのです。

あるいは、「結」から始まる手法もあります。
まず最初に、結論を言ってしまう。その後で、それまでの過程を描いていくわけです。
ただし、このように起承転結を壊すには、壊す根拠がなくてはいけません。
つまり、言いたいこと、描きたいことをよりドラマチックに、より効果的に描くという根拠です。
ただ闇雲に起承転結を壊すのではないのです。

漫画の基本・起承転結
プロット作り

プロットというのは、全体の骨組みのようなものです。
漫画に登場するキャラクターを作り、時代背景や舞台を設定します。
あらすじの一歩手前の作業だと思ってください。
ここでできるだけ具体的なイメージを膨らませておくと、ネーム作りが楽になります。
とにかく、頭に思い描いたことはすべて書き出しておくとよいでしょう。
たとえば、いきなりクライマックスのシーンを考えてしまうとか、主人公の得意技や小道具など、なんでも良いから思い描いたことはメモしておきましょう。
ちなみに、ストーリーの出来・不出来は、だいたいがこのプロットの作りにかかっているといえます。
プロットを組み立てるときには、以下の3点に留意します。

(1)主人公の行動の流れを明確にする
主人公がどのような行動をとり、それによってどうなったのか、この原因と結果が明確でなければいけません。
たとえば、ボクシングで世界チャンピオンに挑戦するために、主人公がチャンピオン打倒のためにどのような工夫をし、またどのような猛練習をしたのかを明確にします。
そして、こうした猛練習と工夫の裏付けがなければ、主人公が世界チャンピオンに勝つという結果に、読者は納得できないわけです。
つまり、明確な原因を設定しておくことで、試合中に主人公が突如超人的な活躍を始めても、読者は納得してついてきてくれるというわけです。

(2)問題を用意する
目標に向かって動き出した主人公が、何の苦労もなくトントン拍子に目標に到達したのでは面白くありません。
漫画の面白さは、出来ないことを可能にする面白さなのです。
したがって、主人公には克服するための障害が必要になってきます。
主人公が、困難に対峙し、苦悩し、葛藤するところに、漫画としてのドラマが生まれてくるのです。
つまり、そのための状況を設定する必要があります。
たとえば、主人公と対立するライバルを用意したり、主人公の前進を阻む困難な状況を用意したりします。
しかも、これらの問題は、克服が困難であればあるほど、目標を達成したときの喜びが大きいです。
ただし、主人公がいかにしてその難問を乗り越え、解決していくかということが重要になってきます。解決策がなければどうしようもありません。
主人公が、いきなり超能力を発揮するというのでは、あまりにも安直すぎです。
そこで、主人公には、前もってそうした問題を乗り越えられるられるだけの要素を、設定として盛り込んでおきます。
たとえば、素晴らしい運動能力があるとか、親がノーベル賞を受賞しているとか。
あるいは、どこかで聞いたことがあるような設定だが、先祖が名探偵だったとかです。
こうした伏線を、ストーリーの中に盛り込んでおいて、大事なところで活用すればよいのです。
ただし、その伏線から主人公が困難を乗り越える方法を、読者に簡単に予測されるようではいけません。
つまり、読者に先を読ませない工夫も必要です。
難しいところですね。

(3)テーマを効果的に訴える
読者に最も訴えたいことは何か、これが重要です。
プロットを組み立てるときの基準は、まさにこの点なのです。
逆に、テーマさえしっかりしていれば、どこのヤマ場をもってきて、どの部分を強調すべきかということが、おのずと明確になってきます。
そして、テーマを紛らすような要素は、省略していきます。
たとえば、必要のない登場人物やエピソードなどは、思い切って削除してしまいます。
その方が、テーマを効果的に訴えることができるようになります。

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