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漫画制作事務所が日本漫画の歴史についてご紹介します。

戦前戦後の日本漫画
HOME日本漫画の歴史> 日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」03
穏やかな画風が主流だった戦前の漫画だが、時代は軍国主義色が強まり、次第に軍の広告的な役割を果たすことになる。

漫画家の本意ではないにしろ、少年漫画までもが軍に利用されてしまった。

漫画にとっては暗い時代だったといえるだろう。

※この記事は、とんぼスタジオ代表高橋が20年前に漫画制作事務所を立ち上げたころに書いた記事です。ほぼそのままの内容で掲載してあります。

3冒険ダン吉
●のらくろ同様大人気
当時、「のろくろ」と同じように、人気を博した漫画があった。

そのひとつが、島田啓三の「冒険ダン吉」で、「少年倶楽部」と姉妹誌だった「幼年倶楽部」に連載されていた。

ダン吉という少年が、南洋諸島のどこかの島に漂着して活躍する話である。

漂着した島は文明が遅れており、様々な知識を烽ツダン吉少年が、現地の王様になって野蛮な島に文明をもたらすという設定である。

現地の住民全員に背番号があり、野球のような発想かもしれないが、近年話題になっている国民総背番号制を想像させられる。

島田啓三がそこまで未来を予見したわけではないだろうが、人間を番号で識別する発想は、当時の帝国主義的な考え方に通じるものがある。

やはり、「のらくろ」同様、当時の世相を反映しているのが読み取れる。

●タンクタンクロー
「タンク・タンクロー」も面白かった。

坂本牙城が描いた漫画で、丸い鉄のボールにいくつかの穴があいていて、その穴からチョンマゲ頭が出たり、手足が出たりするのである。

ときにはヘリコプターや武器まで出てくるという、摩訶不思議な漫画だった。

あのドングリまなこが今でも思い出される。
ちなみに、申し上げておきたいが、こうした漫画を私が子ども時代に、リアルタイムで店頭で買って読んだわけではない。

それでは私が70歳以上の老人になってしまう。当年、昭和27年生まれの52歳である。

じつは、これらの漫画の多くは、後年私が求めて読んだものであって、もちろん、戦争体験者では決してない。

ただ、私が子どもの頃、こうした漫画はまだ市中にたくさん出回っていたことは事実で、多くの漫画はまちがいなく子ども時代に読んでいる。

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参考ページ→
日本漫画の歴史
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