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穏やかな画風が主流だった戦前の漫画だが、時代は軍国主義色が強まり、次第に軍の広告的な役割を果たすことになる。 漫画家の本意ではないにしろ、少年漫画までもが軍に利用されてしまった。 漫画にとっては暗い時代だったといえるだろう。 ※この記事は、とんぼスタジオ代表高橋が20年前に漫画制作事務所を立ち上げたころに書いた記事です。 ほぼそのままの内容で掲載してあります。 |
5新聞漫画 |
とはいっても、そうした彼らが、戦後の大人漫画を切り開き、現代まで発展させてきてくれたのである。 それに対しては素直に感謝したい。 考えてみれば、「のろくろ」や「冒険ダン吉」も、戦争容認ありきのようなところがあった。 したがって、一概に政治漫画を容認することはできない。 逆に考えてれ、当局の意に添わない表現は、すべて反逆行為と見なされた時代だったのである。 やむを得なかったのかもしれない。 もう戦争はイヤだ。 作家の心を捻じ曲げてしまう戦争なんて、二度とご免である。 流行歌も同じようなものだった。 戦時中は戦意を煽る歌をたくさん作って大勢の人間を戦場へと向かわせた。 そして、戦争が終わると愛だの恋だのをテーマにしてみたり、郷愁を誘う歌詞を盛んに作った。 彼らが作った歌でどれほどの若者が犠牲になったことだろう。 |
「新漫画派集団」について述べたい。 昭和7年、新人漫画家たちが「新漫画派集団」を結成して銀座に事務所を構えた。 新聞社や雑誌社に「新漫画派集団」として売り込みをかけた。 そして、受けた仕事を集団でこなした。 現在の漫画制作プロダクションと同じである。 彼らは大成功した。漫画界の新しい勢力として人気漫画家となったのである。 |
そうしたメンバーには近藤日出造のほかに、横山隆一や杉浦幸雄、清水崑らがいた。 そうそうたるメンバーである。 近藤日出造は読売新聞の政治漫画で一世を風靡した。 彼の似顔絵は素晴らしかった。 |
横山隆一は「フクちゃん」で大人気となった。 昭和11年から連載が始まり、戦後もずっと続いていた。 ただ、残念なのは、当時の漫画が戦争宣伝に協力したことである。 「フクちゃん」の主人公フクちゃんは、幼稚園に入るか入らないの子どもなのに、アニメ化されて「フクちゃんの潜水艦」の主人公として起用されたのである。 |
杉浦幸雄は婦l雑誌に「ハナコさん」を連載した。 彼の描く女性はじつに品があり美しかった。 やがて「ハナコさん」は映画化された。主演は当時新人として人気のあった轟由起子が演じた。 |
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参考ページ→ 日本漫画の歴史 北斎漫画について 漫画の描き方講座 |
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