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漫画制作事務所が日本漫画の歴史についてご紹介します。

戦前戦後の日本漫画
HOME日本漫画の歴史> 日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」01
穏やかな画風が主流だった戦前の漫画だが、時代は軍国主義色が強まり、次第に軍の広告的な役割を果たすことになる。

漫画家の本意ではないにしろ、少年漫画までもが軍に利用されてしまった。

漫画にとっては暗い時代だったといえるだろう。

※この記事は、とんぼスタジオ代表高橋が20年前に漫画制作事務所を立ち上げたころに書いた記事です。ほぼそのままの内容で掲載してあります。

1戦前漫画と戦後漫画
●戦前と戦後の様変わり
日本の漫画は戦前と戦後で大きく様変わりしてくる。

戦前の漫画は全体に淡々とした展開で、わりと安心して読める漫画が多かった。

そのため、アングルも目線でとらえた安定した構図が主流だった。

ところが、戦後になって、手塚治虫が映画的な手法を使うようになり、ビジュアル的にもストーリィの面でも変化が出てきた。

そうした手法が読者に受け入れられて現在に至っている。

私からすれば、「なつ漫」は戦後漫画、つまり「鉄腕アトム」や「月光仮面」であるが、当然、それ以前の漫画を懐かしく思う人たちも大勢いる。

そうした人たちとにとっトは、 戦前の漫画が「なつ漫」である。

漫画の始まりは鳥羽僧正の鳥獣戯画だという説もあるが、そんなものを懐かしむ人はすでにこの世にいない。

生きている人で漫画を子ども時代に漫画を読んだ経験のある人は、大正末期くらいから昭和初期にかけてであろう。

●大正末期と昭和初期
大正末期か昭和初期といえば、当時は挿し絵的なものや日本画的な感じの絵が、まだ子ども漫画に残っていた時代である。

たとえば、宮尾しげをなどがそうである。

毛筆的な線で、いかにも「日本」という感じがした。

ところが、宮尾しげを以降になると、毛筆からペンの線に替わってくる。

「昭和」というのは、ペンの時代の始まりだった。

漫画の表現が、柔らかい線から、ペンによる西洋的な硬質な線に替わったのである。

そして、世情も替わった。

昭和になって、日本は西洋を直視するようになった。

明治時代に日清、日露の戦争を体験し、欧米列強と肩を並べたニ錯覚した日本は、間違った方向に突き進んでしまったのである。

結果は惨めな敗戦となって、大勢の人々を苦しめることとなった。

そうした時代が、漫画のツールにも投影されていたことは興味深い。

●エロチシズムが文化の起点
ちなみに、昭和初期は左翼運動が弾圧された時代であるし、軍国主義の予感が迫っていた頃である。

そんな時代に、モボ・モガたちや、カフェー、ダンスホールなどが新文化の拠点となった。

そして、踊り子たちは当時の漫画家たちの格好の題材となった。

つまり、この時代はエロチシズムへの関心が、漫画に関わらず多くの文化の起点となっていたのである。

おそらく、時代の空気に抑圧された一般大衆が、人間解放を求めた証だったのであろう。

人間の本能というのは、エロチシズムへの関心と抑圧に対する開放である。

そうした世情が、文化に反映するのである。

たとえば、田中比左良や小野佐世男などは、女性の肉体を誇張して描いていた。

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●日本漫画の歴史
古からの日本漫画の歴史01
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」01
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」02
日本漫画の歴史02「戦前漫画と戦後漫画」03
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参考ページ→
日本漫画の歴史
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